スーパーで手に入る野菜のほとんどはF1品種という、生産性を高め、人間にとって都合のよい性質を発揮させるために手を加えた種からできています。醤油や味噌、酒造りに必要な酵母も、現在は人工的に造られたものを添加する作り方が主流です。
しかし、まだまだ農家の人々が代々自家採取し、その土地の風土にあうよう自然に改良されてきた野菜や、蔵付きの天然の野生酵母を使ったお酒や調味料などが、現存しています。
そんな自然本来の味を楽しめる料理と、日本酒造りの原点といわれる、野生酵母を使った「菩提もと仕込み」で造られたお酒を楽しむ会をお届けします。
料理人&フードコーディネート:
吉信 道子
(フリーエディター&ライター、0CA協会認定 オーガニックコンシェルジュ)
食にまつわるメディアのコンテンツ制作に携わるかたわら、昔ながらの製法で作られた食材で作る料理を楽しんでいる。
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<菩提もと仕込み>
中世(10世紀?)寺院で興った「僧坊酒」の系譜に連なり、戦国の世、奈良(奈良市南郊、菩提山町)の菩提山川の清流をさかのぼった辺りに所在する「菩提山正暦寺(ぼだいせんしょうりゃくじ)」で創製された「諸白(もろはく)」(掛米・麹米ともに白米で仕込んだ酒)が日本酒造りの原点であるといわれています。この仕込み方を菩提もと仕込みといい、温暖な季節にも可能なつくりかたなのです先ず、最初に空中の乳酸菌を取り込み、乳酸発酵を営ませて雑菌の繁殖を押さえ、野生酵母(酒蔵では蔵付き酵母)の増殖を促し、アルコール発酵を行わせる、といった微生物学的に極めて巧妙かつ合理的なものでした。乳酸発酵の進んだ『そやし』という酸っぱい水をもとにして仕込みます。この仕込み方法は『生もと』の原型とも言われています。
◎オリジンフード研究会は、2005年2月2日に結成された、食と文化のルーツを考える非営利の民間団体です。次回予定企画/おばあちゃんの味、保存発酵食品とか?
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